2026年12月18日、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が再び大きく動く。『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が日米同時公開されるのだ。監督は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から『アベンジャーズ/エンドゲーム』までを手がけたアンソニー・ルッソとジョー・ルッソの兄弟。脚本にはスティーブン・マクフィーリーとマイケル・ウォルドロンが参加し、製作総指揮はケヴィン・ファイギだ。
この作品は、単なる「次のアベンジャーズ映画」ではない。マルチバース・サーガの最終章への入り口であり、地球616のアベンジャーズ、ワカンダの英雄たち、ニュー・アベンジャーズ(サンダーボルツ系)、ファンタスティック・フォー、そして20世紀フォックス時代のX-MENが交錯する、史上最大規模のクロスオーバーだ。公式シノプシスはこう語る。
「ユニバースが衝突し、マルチバース・サーガが最終章を迎える。3つの異なるユニバースから来た愛される英雄たちが、死の衝突コースに乗せられ、これまで経験したことのない存在的脅威に立ち向かう。この壮大な映画は、マーベル・シネマティック・ユニバースの未来の礎を築く。」
そしてその中心にいるのが、ロバート・ダウニーJr.演じるヴィクター・フォン・ドゥーム/ドクター・ドゥームだ。かつてのアイアンマンが、今度は科学と魔術を極めた最強のヴィランとして帰ってくる。2025年3月の大規模キャスト発表以降、クリス・エヴァンスのスティーブ・ロジャース復帰が正式に確認され、2026年7月20日には本編予告編が解禁。チケット販売もインフィニティ・ビジョン対応劇場でスタートした。公開まであと約5ヶ月。今、キャスト情報を正確に整理しておく必要がある。

なぜこのキャスト陣が特別なのか
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の最大の特徴は、単一のチームではなく「3つのユニバースの英雄たち」が集う点にある。地球616の現行ヒーローたち、ファンタスティック・フォーの地球828、そしてオリジナルX-MENのユニバースが、ドクター・ドゥームの引き起こす危機によって衝突する。
2025年3月26日、マーベルは約5時間半に及ぶライブ配信で、撮影現場の椅子に名前を次々と表示する形で27名の主要キャストを発表した。その後、クリス・エヴァンスの復帰、キャスリン・ニュートン(キャシー・ラング)、インディア・ローズ・ヘムズワース(ラブ)、マベル・カデナ(ナモーラ)などの追加情報が加わった。撮影は2025年にイギリスを中心に行われ、すでに終了。現在はポストプロダクションの最終段階にあり、上映時間は約165分(2時間45分)程度と報じられている。
この規模は『エンドゲーム』を超える可能性すらある。エンドゲームが「これまでの集大成」だったとすれば、ドゥームズデイは「異なる時代と世界線の英雄たちが本気でぶつかり合う」作品だ。
悪役の頂点:ロバート・ダウニーJr./ドクター・ドゥーム
まず語るべきは、誰もが最も驚いたキャスティングだろう。ロバート・ダウニーJr.がトニー・スタークではなく、ヴィクター・フォン・ドゥームを演じる。
ダウニー自身が「新しいマスク、同じ任務」と語ったように、これは単なるカムバックではない。監督のルッソ兄弟は「ドゥームは最も複雑で、かつ魅力的なキャラクターの一人。ダウニー以外にこの役を任せられる人間はいない」と公言している。ダウニーは自身でバックストーリーを構築し、衣装のアイデアにも積極的に関与。声には強いアクセントが入り、トニー・スタークとは明確に差別化されているという。
ドクター・ドゥームは科学と魔術の両方を極めた存在だ。ラトヴェリアの支配者として、己の正義を絶対視する。予告編ではソーのストームブレイカーを素手で止めるシーンが印象的で、脅威の大きさを視覚的に示している。公式資料でも「最先端の科学と強力な魔術を操るヴィランが、マルチバース全体に連鎖的危機を引き起こす」と明記されており、単なるパワー勝負ではなく、思想と戦略の戦いになることが予想される。
帰ってきたレジェンドたち
クリス・エヴァンス/スティーブ・ロジャース 『エンドゲーム』で過去に戻り、ペギー・カーターとの人生を選んだスティーブが戻ってくる。当初「引退した」と本人が語っていただけに、復帰発表は衝撃だった。2025年12月の特別映像で「Steve Rogers will return」とテロップが出た時点で確定。ルッソ兄弟は「この物語に彼の中心的な役割がなければ成立しない」と語り、エヴァンス本人も「本物の理由があったから戻った」とコメントしている。予告編ではソーと再会するシーンが確認されており、単なるカメオではない。
クリス・ヘムズワース/ソー 『ラブ&サンダー』以来の本格登場。予告編のナレーションを担当し、「これまで戦った戦士たちより恐ろしい脅威だ」「奇跡が必要だ」と英雄たちを鼓舞する。娘ラブ(インディア・ローズ・ヘムズワース)の登場も確認されており、家族というテーマが強く絡む可能性がある。
トム・ヒドルストン/ロキ TVAを離れ、「物語の神」となったロキがどう関わるのか。時間と運命を操る存在として、マルチバースの危機に深く関与する可能性が高い。
ファンタスティック・フォーの初陣
2025年公開の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』から続くメンバーが、そのままアベンジャーズに合流する。
- ペドロ・パスカル/リード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック) 知性の象徴。マルチバースの地図を操り、危機の本質を見抜く役割が期待される。
- ヴァネッサ・カービー/スー・ストーム(インビジブル・ウーマン) フォースフィールドと不可視化能力。感情と家族の核を担う存在。
- ジョセフ・クイン/ジョニー・ストーム(ヒューマン・トーチ) 炎を操り空を飛ぶ青年。軽快さと熱さを兼ね備えたキャラクター。
- エボン・モス=バクラック/ベン・グリム(シング) 岩の体を持つ力の象徴。チームの心の支え。
彼らが地球828から来た「別のユニバースの英雄」として、616のアベンジャーズとどう衝突し、どう協力するのかが最大の見どころの一つだ。
X-MENの歴史的復活
ディズニーによる20世紀フォックス買収後、初めて本格的にオリジナルキャストがMCU本編に登場する。
- パトリック・スチュワート/チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)
- イアン・マッケラン/エリック・レーンシャー(マグニートー)
- ケルシー・グラマー/ハンク・マッコイ(ビースト)
- レベッカ・ローミン/レイヴン・ダークホルム(ミスティーク)
- ジェームズ・マースデン/スコット・サマーズ(サイクロプス)
- アラン・カミング/カート・ワグナー(ナイトクロウラー)
- チャニング・テイタム/レミー・ルボー(ガンビット)
特にスチュワートとマッケランの共演は、ファンにとって特別な意味を持つ。彼らはすでに複数回「死んでいる」キャラクターだが、マルチバースの設定により復活が可能となった。予告編ではX-マンションが登場し、インカージョン(ユニバース衝突)の影響が示唆されている。
現行MCUの主力たち
キャプテン・アメリカ系
- アンソニー・マッキー/サム・ウィルソン(キャプテン・アメリカ)
- セバスチャン・スタン/バッキー・バーンズ(ウィンター・ソルジャー)
- ダニー・ラミレス/ホアキン・トレス(ファルコン)
- ワイアット・ラッセル/ジョン・ウォーカー(U.S.エージェント)
サムを中心に、バッキー、ファルコン、ウォーカーがどう連携するのか。『ブレイブ・ニュー・ワールド』と『サンダーボルツ*』の流れを継ぐ重要パートだ。
サンダーボルツ/ニュー・アベンジャーズ
- フローレンス・ピュー/イェレナ・ベローヴァ
- デヴィッド・ハーバー/アレクセイ・ショスタコフ(レッド・ガーディアン)
- ハナ・ジョン=カーメン/エイヴァ・スター(ゴースト)
- ルイス・プルマン/ボブ・レイノルズ(セントリー)
『サンダーボルツ*』で結成されたチームが、アベンジャーズの一員として本格的に機能する。特にセントリーの存在感は予告編でも強調されている。
ワカンダと他の英雄たち
- レティーシャ・ライト/シュリ(ブラック・パンサー)
- ウィンストン・デューク/エムバク
- テノッチ・ウエルタ・メヒア/ネイモア
- シム・リウ/シャン・チー
- ポール・ラッド/スコット・ラング(アントマン)
シュリとネイモアの関係、シャン・チーの十輪、アントマンの量子技術など、各々が持つ固有の能力が危機解決の鍵になる可能性が高い。キャスリン・ニュートン演じるキャシー・ラングの参加も確認されており、親子のテーマも絡む。
最新動向と今後の展開(2026年7月時点)
2026年7月20日に解禁されたオフィシャルトレーラーは、公開から短時間で数百万再生を記録した。ソーのナレーション、ドクター・ドゥームの圧倒的な力、スティーブ・ロジャースとソーの再会、X-MENとアベンジャーズの接触など、ファンを熱狂させる要素が詰まっている。
チケットはすでにインフィニティ・ビジョン対応劇場で販売開始。上映時間165分前後、予算は4億ドル超とも噂される超大作だ。続編の『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』は2027年12月17日公開予定で、ドゥームズデイがその布石となることは間違いない。
注目すべきは「家族」と「選択」というテーマだ。ソーは父となり、スティーブは過去で新しい人生を歩み、ファンタスティック・フォーは家族そのもの。異なる世界線から来た英雄たちが「なぜ戦うのか」を問われる物語になる可能性が高い。
この作品が持つ意味
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は、MCUの「次の段階」を明確に示す作品だ。アイアンマンという象徴的な英雄を失った後の世界で、新しい英雄たちが育ち、古い英雄たちが再び立ち上がる。X-MENという「別の歴史」を持つキャラクターたちが加わることで、単なる続編ではなく「ユニバースの再定義」が行われる。
キャストの豪華さは目を見張るものがあるが、それ以上に重要なのは「なぜこの人たちが今、この場にいるのか」という必然性だ。ルッソ兄弟は『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』でその手腕を証明済み。今度はさらに複雑なマルチバースを、情感豊かに描き切れるかどうかが問われる。
公開まであとわずか。予告編を繰り返し見返し、各キャラクターのこれまでの物語を振り返りながら、12月18日を待つ。ドクター・ドゥームがもたらす危機は、英雄たちに「これまでで最も難しい選択」を迫るだろう。そしてその選択が、MCUの未来を決定づける。
アベンジャーズは再び集結する。今度は、異なる世界から来た者たちを含めて。
